大相撲大阪場所「赤穂の塩」採用

2019年3月25日美し兵庫

10日から始まる大相撲大阪場所、塩まきに用いられる塩が、赤穂化成(赤穂市)さんの「赤穂の天塩(あましお)」が採用されることに決定しました。

赤穂の塩は、元禄赤穂事件(いわゆる「忠臣蔵」ですね)で浅野内匠頭と吉良上野介のいさかいが、赤穂の進んだ塩の製法を教えなかったことが原因という説があるほどの名高い塩。

快挙ですね。

ところで、なぜ塩をまくの?、塩はどこの塩?、「赤穂の天塩」ってどんな塩?など調べてみました。

相撲協会によれば、清めの塩は、地の邪気(悪い気)を払い、土俵を清める意味があるそう。

また、塩には殺菌効果があるので、すり傷や切り傷の化膿止めにもなるとのこと。

実用的な部分もあるんですね。

塩まきは、基本的に十両以上の力士だけが許されており、1日約40〜50キロが使用され、初日から千秋楽の15日間で600~700キロもの塩がまかれているそうです。

これらは、無償で提供されています。

後で述べる「伯方の塩」は1kg320円ほどですから、場所当たり20万円ほどでしょうか。

意外にお安いですね。

 

 

2014.04.04 靖国神社 奉納相撲 火花
2014.04.04 靖国神社 奉納相撲 火花 posted by (C)ひでわく

 

ところで、大相撲の塩、そもそもどこの塩が使われてきたのでしょう。

年6回の本場所のうち、3回の東京場所は「は・か・た・の・塩!」の伯方(はかた)塩業(愛媛県)さんが提供しておられます。

残り3回の大阪、名古屋、福岡は、以前は味の素さんの「瀬戸のほん塩」が使われていたようですが、現在は、銘柄が決まっていなかったようです。

今回採用された「赤穂の天塩」も、この後の名古屋場所に内容されるかどうかは決まってないようです。

 

Nakatani YOshifumiによる「十両登場」写真のリンク  (CC BY 2.0) 

 

さて、このたび採用が決まった「赤穂の天塩」、どんな塩なのでしょう。

原産地は、オーストラリアの塩田。

太陽と風によって育まれた天日塩(てんじつえん)に、やはりオーストラリアから輸入した「にがり」を含ませて作られているとのこと。

塩田がある場所は、オーストラリアの西部、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録された美しい海。

シャーク湾というところです。

ここは、東京都と千葉県を合わせたぐらいの広さで、浜辺はすべて、5mもの厚さで貝殻が埋め尽くされたもの。

周辺の陸地は、人間が生活することを拒み続けた荒涼として乾燥した土地。

このことで、豊かな自然が維持されたのです。

ジュゴンやジンベイザメ、ウミガメ、イルカ、オニイトマキエイなどが群生する、まさに海の秘境。

さらに、35億年前から生息する最古の生物「ストロマトライト」の群生地でもあるのです。

ちなみに「ストロマトライト」苔(コケ)のような原始的な生き物で、はじめて原始地球に酸素をもたらした生物とも言われています。

神秘な海がもたらす塩は、神代から連綿と続く大相撲にぴったりですね。

 

シャーク湾のストロマトライト

Happy Little Nomadさんの Stromatolites in Shark Bay 写真のリンク  (CC BY-SA 2.0) 

 

一方の「伯方の塩」。

原産地は、メキシコとオーストラリアです。

メキシコのバハカリフォルニア半島の西側の塩田と、オーストラリア南部の塩田。

やはり天日塩です。

メキシコの塩田は、ゲレロネグロ(すごい名前ですねー)というところにあり、東京23区ほどの世界最大の塩田があります。

また、ユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録されています。

 

「赤穂の天塩」も「伯方の塩」も、オーストラリアやメキシコがふる里。

国技大相撲を支える塩が外国にルーツがあることに、少しさびしさを感じます。

実は、日本の塩田は、昭和46年(1971年)に国の方針で廃止されました。

「イオン交換樹脂膜製塩法」という極めて高純度の塩化ナトリウム(NaCl)を作り出す製法が採用され、効率の悪い「塩田」が廃止されたのです。

しかし、純粋な塩化ナトリウムではなく、にがりなど様々な成分を含んだ塩が本来の塩だと考える自然塩運動グループが立ち上がり、5万人の署名を得て政府に請願し、昭和48年(1973年)自然塩は、特殊用塩として認可されたのです。

現在私たちは、その用途、趣向などから、高純度の塩、そして自然塩を選択できるようになったのです。

 

さて、大阪場所注目の力士は何といっても兵庫県芦屋市出身の貴景勝さん。

このたび、赤穂化成さんなどから化粧まわしが贈られました。

日の丸の中に白抜きで「赤穂の天塩」のロゴ。

とてもシンプルですが、白と赤とが鮮やかな化粧まわしです。

新調された化粧まわし姿も凛々しく、大活躍してくださいね。

 

<ずべた編集長>

 

(参考サイト)

日本相撲協会

http://www.sumo.or.jp/

「清めの塩」は赤穂製 大相撲春場所で初の採用

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201903/0012126837.shtml

貴景勝“塩まわし”で大関取りへ「日本人力士が頑張らないといけない」

http://www-origin.zakzak.co.jp/spo/news/190222/spo1902220016-n1.html

赤穂化成

https://web.ako-kasei.co.jp/

伯方塩業

https://www.hakatanoshio.co.jp/